2022年12月19日
第32回模擬裁判を開催しました
本学法学会主催の第32回模擬裁判が12月3日から17日にかけてオンデマンド配信で行われ、法学部1年生が視聴しました。
今回のテーマは「介護殺人と量刑」で、悲劇的な犯罪に対する罪の重さについて、被告人の責任能力と量刑を争点に、被告人は犯行時心神耗弱状態にあったのか、量刑をどのように考えるべきか、裁判員裁判の形で検討が行われました。
まず、介護殺人の現状と刑法?刑事手続きの基礎知識、事件の概要と論点についてパワーポイントを用いた解説が行われました。その後、裁判員裁判の流れに沿って冒頭手続き、証人尋問や被告人質問などの証拠調べ手続き、そして弁論手続きの映像が流れ、最後には裁判官による判決が言い渡されました。
実行委員長を務めた田尻巴奈さん(法律学科3年)は、シナリオ作成にあたり担当教員である宍倉悠太准教授や元検察官の吉開多一教授から裁判手続きの進め方などについて多くの助言を受けたと話し、「広い視点で捉えることの重要性を体感した。警察官を志すにあたって得るところが多かった」と振り返りました。
担当教員の宍倉准教授は「1年生の学修の導入として、日本の少子高齢化の問題を刑法の中でも知名度の高い殺人罪と組み合わせようと考え、『介護殺人と量刑』をテーマにしました。制作に参加した学生たちは大変な努力を重ねて力作を仕上げてくれ、彼らにとっても貴重な実践学修の機会になったと思います。一方で視聴した1年生には、これを機に刑事法にさらなる関心を持ってもらえればと思います」とコメントしました。
模擬裁判は本学法学会伝統行事の一つとして昭和43年以来、法律討論会と隔年で開催されています。担当教員の指導のもと学生による実行委員会が企画?運営しており、学生が法的思考力を身に付け、社会で生起する問題に対して法律という物差しで解決する力を習得することを目的としています。
- 収録の様子